自ら学び、自ら習う
与えられた学習ではない「自学自習」は、いざやってみようとすると、意外に難しいものです。自学自習をどう考え、いかに実践していくか、深谷圭助先生に教えていただきました。
●「学び方」の工夫を

学習の基本は、「自」学「自」習です。自ら学び、自ら習う態度や心構えがなければ、学んだことが身につきません。
自学自習といえばドリル学習と、連想する人が多いのではないでしょうか。確かにドリル学習は、取り組みやすいように問題が並べてあり、自己採点することができるので、自分の学びへの振り返りができます。ドリル通りにすすめていけば、一定の学びが成立するようになっています。
ただし、そうしたドリル教材を用いての自学自習は、子ども自身に「学び方」を考え、工夫する余地を与えるものではありません。自学自習をしていく上で重要なのは、「学び方」の工夫です。自らで学びすすめていくためには、さまざまな「学び方」を意識的に用いていくことが大切です。
実は、学校の授業というものも、当たり前のように存在するものと思ってしまうのですが、教室という空間で、先生の話を聞くという「学び方」は、様々な「学び方」の中のひとつのスタイルなのです。
例えば、お茶を習う場合も、茶室で先生から習うという方法もありますし、一人で本を読んで学ぶという方法もあるでしょう。茶道の映像教材を見て学ぶということもあるでしょう。
つまり、学び方というのは、さまざまなタイプがあり、その中から、自分に合ったスタイルを選んだり、その学びに合った学び方を選ぶものなのです。
●授業にも自学自習の姿勢で
学校では、教室で先生の話を聞いたり、先生からの教材の提示を受けて授業することが当たり前になってしまっているので、子どもが自ら学ばなければならない環境に置かれることが少ないのです。そのため、自ら学ぶ力を持つたくましい学び方をすることができる子どもが少ないのではないかと思います。
自学自習の考え方は、教室における授業の中でも大切にされるべき考え方です。当たり前のように、先生は決められた時間に教室に来て、授業をするわけですが、子どもも自ら学ぶ態度や自ら学ぶための学び方をもって授業に臨むべきです。そのために、私が主張していることが2つあります。
ひとつは、教科書は前もってすべて読んでしまうこと。何度も読んでおくことです。そうすることで、授業に臨む準備が整います。疑問なところがあらかじめ明らかになります。
もうひとつは、辞書などを日ごろから読み、分からないことがあったらすぐに調べる習慣を身につけておくことです。そうすることで、授業中分からないところが生じても、自分の力で解決する糸口がつかめます。
自学自習の態度と姿勢は、授業での学習の効果を劇的に高めるのです。
イラスト/杉山真理

深谷圭助先生
立命館小学校校長。教育学博士。小学校1年生からの「辞書引き学習法」を実践し、自学自習で力をつける教育法として注目を集める。小学館国語辞典・辞書引き指導監修者。著書多数。







