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小学校英語活動のポイント 第6回 


コミュニケーション力(資質・能力)の育み方と見取り方のポイント(その1)


 小学校外国語活動の最終的な目標は、中学校外国語科の目標や内容と連帯を図った、コミュニケーション能力の素地を養うことである。その教育内容は、(1)外国語を用いて積極的にコミュニケーションを図ることができるように指導すること」と(2)「日本と外国の言語や文化について、体験的に理解を深めることができるように指導すること」の二点である。そして、主体性の育みにつながる積極的な態度(資質)の育成に重点を置いた(『小学校学習指導要領解説 外国語活動編』六頁参照)。そこで本稿では、国際コミュニケーションの場では不可欠な「積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度」を育むには、何をどうすればよいか、また、その資質の見取り方について考察する。
 オーラル・コミュニケーションにおける積極的な態度を育むにはさまざまな方法が考えられる。次に述べる手だては、そのうち最も基本的な方法の一つといえよう。目に見えにくい学力といわれる関心・意欲(積極性)を育むには、まず、児童の心的発達を考慮する必要がある。つまり、児童の「したいこと」「言いたいこと」は何かを重視すべきである。例えば、高学年の活動においてフルーツ・バスケットやジャズ・チャンツのように主に右脳の働きを利用する英語活動を四〇分間続けることはむずかしい。高学年は論理的思考を司る左脳の働きが活発になり、そのような単純な活動には興味を示さなくなるからである。
 次に、コミュニケーションの場面とコミュニケーションの働き(機能)を重視した活動を考える必要がある。真のコミュニケーション力(資質・能力)は、実際的なコミュニケーションの場における体験活動を通して育まれるからである。したがって、まず『小学校学習指導要領 第4章 外国語活動』や『英語ノート』にも紹介されているように、高学年の児童にとって身近なトピック(例えば、買い物、将来の夢など)を選定すべきである。次に、活動を通して育みたいコミュニケーション能力を決定する。その際、コミュニケーションが豊かに行われるコミュニケーションの働きを取り上げることが重要である。
 ここで、前号で掲載したコミュニケーション能力の表(Canale:1983)を用いて育みたい能力を認識しよう。例えば、買い物で、自分のほしいものを店の人に伝える談話の能力(考えや意図を伝える働き)、すなわち、自分で買いたいものを決定し、行動する力(国際教育で求める資質・能力)を育むとしよう。積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度は、このようなコミュニケーション能力がベースにあるから育まれる。したがって、コミュニケーション能力のパフォーマンス状況も一緒に見取る必要がある。
 具体例をあげて説明しよう。活動のトピックは、「Let's Go Shopping!」。果物屋での買い物活動で、3/3回目とする。活動のクライマックスで、次のようなオーラル・コミュニケーションが交わされるとしよう。
A(店員): Hello! 
B(客): Hello!
A: May I help you?
B: Yes.  アップル.
A: Pardon?
B: アップル, please.
A: Apple?
B: Yes, apple.
A: How many?
B: スリー.
A: Three apples?
B: Yes, three.
A: Anything else?
B: Watermelon, please.
A: How many?
B: Two, please.
A: OK.(以下、省略)


 このようなコミュニケーション活動の場合、評価規準はねらいとの関連から「果物屋で、自分の買いたいものを決め、店員に進んで伝え(ようとし)ている」が考えられる【(自己決定能力をベースとする)積極性の見取り】。具体的には、客が自分の書いたいものを決定し、店員に一生懸命伝えようとしているパフォーマンス状況を見取る。AとBの「確認のやりとり(繰り返し)」は、英語特有のコミュニケーションの豊かさと持続性(方略的能力)を育むことになる。


指導と評価 vol.55 2009年9月号(通巻657号)
(社)日本図書文化協会 日本教育評価研究会発行

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