社長挨拶
株式会社 小学館集英社プロダクション 代表取締役社長 都築伸一郎
小学館集英社プロダクション(ShoPro)の2大事業は、娯楽(エンタテインメント)を提供する「メディア事業局」と、教育(エデュケーション)を柱とする「エデュケーション事業局」によって構成されています。そもそもShoProは、『オバケのQ太郎』が1965年のアニメ化により爆発的なブームを起こし、キャラクターの版権管理が必要となったため1967年に創設されました。これが「メディア事業局」の成り立ちです。一方ShoPro設立の2年後に、小学館より『カセット版小学生の英語』が発売になり、予想を上回る売れ行きによって、教材の訪問販売と、この教材を使用した教室運営をShoProが担う事になりました。これが「エデュケーション事業局」のルーツです。
これら一見相反するような業務をほぼ同時に開始した事が、今日に至るまでのShoProという会社のDNAを決定づけました。経営理念に「エデュテインメント」という造語を使っていますが、エデュケーション(教育)とエンタテインメント(娯楽)はShoPro設立以来のまさに事業の骨格なのです。
ただし一見相反するように思われる「教育」と「娯楽」という概念は、実は人の脳内では共存している関係です。例えば、勉強が出来る子というのは、勉強自体が《よく理解できる=楽しい》からであり、出来ない子というのは《よく分からない=楽しくない》からです。従って勉強のできない子に《楽しみながら、よく理解できる方法》を提供してあげると、自ずと勉強が出来るようになっていくわけです。
同様に「娯楽」というものは、その本質において「教育」が内包されています。例えば『ドラえもん』『名探偵コナン』『ポケモン』というアニメを通じて、人は、幼少時に学ばなければならない「正義」「友情」「努力」・・・といった根本的な人間愛、哲学というものを、自然に身につけて育っていくのです。ShoProが提案する「エデュテインメント」とは、こういった思想に支えられているものです。
2008年には、グループ会社でもある集英社からも資本参加を受け、社名を小学館プロダクションから、現在の小学館集英社プロダクションに変更いたしました。それに伴い、国内市場はもとよりワールドワイドに、小学館・集英社等の、一ツ橋グループ全体のコンテンツビジネスを展開しています。一方教育の分野でも、長年培ってきたノウハウを活かし、保育サービスや通信添削を、アジアを中心とした海外市場へ展開する試みもスタートしました。
ShoPro創設以来たゆみなく取り組んできた「エデュテインメント」というユニークな経営理念を、これからも継承し、より発展させていきたいと思っています。