イントロダクション

あるとき、惑星Ziは地軸移動を起こし、大地は突然の大変動に襲われた。
平原には巨大な亀裂が走り、南の島は極地に、海底は高山となり、眠っていた火山は火を噴き、空は幾層もの灰色の雲で覆われていった。

多くの都市が破壊され、地に飲み込まれ、あるものは海中深くへと沈んだ。
この大変動の前に全世界の人々はなす術を持たず、かつて営々と築かれてきたすべての文明はここに壊滅した・・・・

そして数千年の時が流れた。
大地には再び文明が芽生えていた。
以前の出来事は、今では「神々の怒り」と呼ばれる大変動と共に神話として語り継がれるものとなり、断絶した歴史の中で生きのびたわずかな人々の子孫たちは、各地に新たな独自の文明を築きあげていた。

だが神話として語り継がれている前時代から、遺産として残されたものたちが存在した。
各地に点在し今も動き続けている謎の巨大施設「ジェネレイター」。
そして時折遺物として発掘されるオーバーテクノロジーな存在。
メカ生体「ゾイド」である。

発掘されたゾイドは適合しさえすれば人間に操ることが出来たため、人々に利用され、各地の文明の発達に大きく寄与していた。そのため「ゾイド堀り」という職業も生まれ、発掘が盛んに行われていた。またゾイドを操れる人は「ゾイド乗り」として人々の尊敬を集めていた。が、ゾイドは平和的に利用されているばかりではなかった。ゾイドを軍事力として利用し勢力を拡大、惑星全土を支配しようとする国が現れたのだ。
ディガルド武国である。

この物語は、力による支配をもくろむディガルド武国に、屈することなく戦い続けた者たちの、勇気と信頼と友情を描いていく物語である。