ストーリー

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

とある辺境の村「ミロード村」。
その地で代々「ゾイド掘り」を生業にしている一家があった。
村の長でもあり、ゾイド乗りでもある父のラージ。母のミン。
そして祖母のシオと弟ファージ。
その中でのびのびと育った若者が、主人公のルージ・ファミロンだ。

代々ゾイド乗りである家柄にもかかわらず、今まで一度もゾイドを乗りこなせないルージであったが、それでも落ち込むことなく持ち前の頭の良さと好奇心を生かし将来は教師になろうと考えていた。
「遠い地方で戦争が始まった」という噂は聞いていたが、この村にとっては無縁の話だと誰もが思っていた。

ある日ルージは村の大人たちと一緒に、海中から一体のゾイドを引き上げる。ライガータイプの大型ゾイドだ。

その時、突如正体不明のゾイドたちが村を襲撃する。
ディガルド武国の尖兵たちであった。戦争の余波が、こんな辺境にも及んできたのだ。ルージの父たち村のゾイド乗りは、すぐに迎撃に出た。村を守るのもゾイド乗りの役目だからだ。
だがディガルド武国のゾイドは、「バイオゾイド」という特殊なゾイドだったのだ。バイオゾイドの表面を覆う特殊なアーマーは通常ゾイドの攻撃を全て無効化する。ルージの父たちが操るゾイドらの攻撃もまったく通用せず、村は絶体絶命の危機に!

思わず引き上げたばかりのライガータイプに乗り込むルージ。だが、これまで一度もゾイドを動かせたことのないルージに果たして起動させることは可能なのか?!

「動け〜〜〜〜〜!!」
ルージの必死の叫びが奇跡を呼んだ!なんとライガータイプが起動したのだ!

何もわからないまま無我夢中でライガーを操縦し、バイオゾイドに立ち向かうルージ。
だがこのライガータイプには武器がない。起動はさせたものの、なす術もなく立ち尽くすだけのルージに次々と敵の攻撃、火球(ファイアーボール)が襲いかかる。
爆発により再び海中へと沈みゆくライガータイプ。その時、ライガータイプが永き眠りから覚めたかのように、自由に動き始めたではないか!海底を蹴り上がり大空へと飛翔するライガー。さらにいかなる奇跡かルージの家に祖先代々伝わる巨大な刀が宙に飛び上がり、こちらへと向かってきた!

合体!覚醒!!ムラサメライガー!!!
「ムラサメライガー? そうか!こいつの名前か!」
感動するルージを乗せて、今こそ蘇った大型ゾイド!
巨大な刀を自在に振り回すその姿こそ、古(いにしえ)のゾイド、ムラサメライガーの復活の勇姿だった!

大刀を使い、敵ゾイドを一刀両断するムラサメライガー。だがはじめての操縦にとまどうルージに敵は容赦なく襲い掛かる!さらに後方からも正体不明の2体のゾイドが迫る!絶体絶命のピンチ!どうするルージ!!

その時、2体の謎の大型ゾイドが突如現れ、残りの敵バイオゾイドを一刀両断!造作もなく片付けてゆく。
ルージを救ったそのゾイドこそ、ムラサメライガー同様、バイオゾイドに唯一対抗できる武装=リーオ製の武器を持つソードウルフとランスタッグだった。
ソードウルフには、初老のゾイド乗りラ・カン。
そしてランスタッグには彼の姪レ・ミィが乗っていた。

ラ・カンの口から語られる、今、世界で起こっている数々の出来事に驚くルージ。
以前から軍事力国家の様相を帯びていたディガルド武国による武力による近隣支配。その目的はジェネレイターから生み出されるゾイドの燃料であるレッゲルであること。
かの国ではレッゲルの独自の使用法を開発し、より多くのレッゲルを得る必要性から、多くのジェネレイターを支配下におさめるため、周辺に大規模な軍事侵攻を開始したこと。
急速に勢力を拡大していくディガルド武国の脅威…

その時だった、再びバイオゾイドが村を襲撃してきたのだ。
ディガルド武国の将校ザイリン率いる、メガラプトルとメガラプターらの攻撃はリーオの武器を持つ三人の乗るゾイドでも激戦を極めた。

からくも撃退に成功はしたものの、村の重要施設であるジェネレイターを破壊されてしまう。
「ジェネレイターが動きを止めた土地は滅びる」
古くからの言い伝えが囁かれ怯える村人たち。
「私が修理人を捜してきましょう」
申し出るラ・カンに感謝しつつ
「お前も一緒に行ってこい。行って村のためにジェネレイターを修理できる人を捜して来てくれ。」
ルージにそう言い渡す、父ラージ。
「村の…外の世界へ…」
その瞳には不安と希望の光が満ち溢れてくるのであった。

そして物語ははじまる。